夏田昌和 Masakazu NATSUDA

composer

作曲家の夏田鐘甲を父として1968年東京に生まれる。東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て、'91年東京芸術大学音楽学部作曲科を首席で卒業。'93年同大学大学院修了後、渡仏。パリ国立高等音楽院にて作曲と指揮を学び、'97年に審査員全員一致の首席一等賞及び音楽院卒業生協会によるEbersold賞を得て同院作曲科を卒業、帰国。これまでに作曲を野田暉行、永冨正之、近藤譲、Gérard Grisey 、指揮を秋山和慶、Jean-Sébastien Béreau、伴奏法をHenriette Puig=Roget の各氏に師事。'93-95年の間には、秋吉台国際現代音楽セミナーに参加した。

 

日本音楽コンクール第3位、新交響楽団作品公募第1席入選、出光音楽賞、Goffredo Petrassi 国際作曲コンクール審査員特別表彰、入野賞入選、Fundaçao Oriente 国際指揮者コンクール第3位、Gaudeamus 国際音楽週間入選、ISCM入選、芥川作曲賞(2002)など受賞、入選多数。

 

作品は東京交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、Dutch Radio Symphony Orchestra、Berlin Symphony Orchestra、Ensemble 2e2m、Ensemble Intercontemporain、Ensemble Court-Circuit、Julliard Percusiion Ensemble、Barcelona Reed Quintet、東京シンフォニエッタ等、内外の著名なオーケストラやアンサンブルによって演奏されている。フランス文化省、アンサンブル・アンテルコンタンポラン(フランス)、埼玉県立近代美術館、サントリー音楽財団、ヴォクス・マーナ、Rosco、うたり、Claude Delangle、瀬川裕美子など多くの団体や演奏家より作品委嘱を受け、ISCM(横浜)、Music Biennale Zagreb、アジア音楽祭2003、Daegu国際音楽祭、Maerz Music(Berlin)、Festival Manca(Nice)、東亜細亜現代音楽祭(Deagu)、Avanti Summer Music Festival(Porvoo, Finland)、 Music from Japan(N.Y.)、Festival Présence(Paris)、サントリー・サマー・フェスティヴァルといった音楽祭他において幅広く紹介されてきた。

 

指揮者としては、Ensemble Contemporary αやEnsemble Vivo、クロノイ・プロトイ他との活動を通して、 グリゼイの「Vortex Temporum」や「境界を超えるための4つの歌」 の日本初演や、ライヒの「砂漠の音楽」、「City Life」、「Tehillim」の指揮を始めとするヨーロッパやアメリカの現代作品の紹介に務めてきた他、自作のみならず邦人作品の世界初演にも数多く携わっており、現在までに150曲を越える現代作品を指揮している。また2002年以来、千代田フィルハーモニー、三鷹市管弦楽団、明治大学OBオーケストラ、混声♪青葉を始めとする市民オーケストラや市民合唱団の指導と客演指揮を数多く行い、クラシック音楽の愛好者や聴衆の開拓、啓蒙に取り組んできた。

 

2013年12月には現代音楽演奏の第一線で活躍する多くのソリスト達が参集・出演した初の大規模な室内楽個展が東京オペラシティ・リサイタルホールにおいて開催され、その演奏会は「音楽の友」の「コンサート・ベストテン2014」の中で評論家山野雄大によって第1位に推薦されるなど、高い評価を受けた。また同時期にジパング・プロダクツよりCD「先史時代の歌 ~夏田昌和作品集」が発売。2014年12月には30名を越える邦楽器と西洋古楽器奏者、歌手、ダンサーが共演したアンサンブル室町第10回公演「オルフェオとエウリディーチェ」にて、自身への委嘱作品を含む全演目を指揮して公演を成功に導く。また指揮者の阿部加奈子と共に、日本とフランス両国の音楽文化交流活動や近現代音楽の振興を目的とした日仏現代音楽協会を2013年に創設し、以来さまざまな演奏会やマスタークラス、シンポジウム、講習会などを立案、運営して若手音楽家の育成や社会への啓蒙活動を行っている。

 

2017年4月以来、バリトン青戸知、ソプラノ一小路千花のピアノ伴奏者として多くのコンサートで共演し続けている。同年8月にはアンサンブル音坊主の公演「メシアンへと続く道」の企画に携わり、プログラム構成と編曲、楽曲解説を担当して成功に導いた。2018年7月にはサクソフォン奏者佐藤淳一より委嘱された「Appel」がザグレブの第18回ワールド・サクソフォン・コングレスにおいて世界初演。日仏現代音楽協会を通して「ドビュッシー没後100年&グリゼイ没後20年記念演奏会」を企画、自作の日本初演の他、グリゼイ「Talea」他を指揮した同年10月の演奏会は満員の聴衆を集めて大成功に終わった。同年11月には南聡作品展にて50分を越える大作「波はささやき」を指揮、高い評価を得る。2019年3月にはオランダの世界的なアンサンブルであるCalefax Reed Quintet Amsterdamが日本ツアーの横浜、京都、松本の3公演で「Chanson suspendue」を取り上げて日本初演、好評を得た。5月にはパリ音楽院のサクソフォン科教授を長年にわたり務めるClaude Delangleと、彼に師事した日本のトップ・プレイヤー大石将紀によるデュオ・リサイタルが東京、大阪、名古屋の3都市で行われ、委嘱作品「Appels croisés」が世界初演され各方面より絶賛される。7月には西川竜太指揮による声楽アンサンブルVoxhumanaが、谷川俊太郎の詩に作曲した委嘱作品「りんごへの固執」を初演、テキストと音楽の自然な結びつきが高く評価された。

 

主要作品として、<Gravity Wave>、<Astration> (以上オーケストラ作品)、<Soliton> 、<Megalithic Waves>、<Cross-Light>、<Tableau avec Ré、Fa、La>(以上室内オーケストラ作品)、ソプラノ・サックスと打楽器のための<West, or Evening Song in Autumn> (BIS-CD, Editions Henry Lemoine)、フルート、クラリネツト、ヴァイオリンとピアノのための<Gallop>、フルートとプリペアード・ピアノのための<Equatorial Song> 、ヴァイオリンのための<Les Chants Préhistoriques I~III>(ジパングCD,マザーアース出版)、打楽器のための<Stumbling Drums on Savanna>(ジパングCD,マザーアース出版)、フルート、クラリネット、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとピアノのための<Falling>、メゾソプラノとサクソフォン、打楽器のための<良寛の2つの詩>(BIS-CD)、<ノヴァーリスによる12声のコラール>(マザーアース出版)、9人の打楽器奏者のための<Wooden Music>(ジパングCD,マザーアース出版)、弦楽四重奏のための<Les Vers Intimes>、二十絃箏ソロと四面の箏のための<啓蟄の音>、9楽器のための<Composition avec deux figures ~Hommage à J.S.B.~>、2人の歌手、西洋古楽器と邦楽器による大アンサンブルのための<オルフェオの嘆きのアリア>などがある。作品の一部はHenry Lemoineとマザー・アース社より出版、BISとジパング・プロダクツよりCD化されている。